蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

大威徳明王法~中日座

大威徳明王法を修法。今日は中日座となる。

新型コロナウイルスによって変化した/変化する社会。そこで今浮き彫りになっている課題が、哲学者の國分功一郎氏から問題提起されている。

最近、新型コロナウイルスに感染して亡くなった人に対する「通常の葬送」が出来ないことが報じられるようになった。感染症予防に関する法律規則で「たとえ危篤状態であろうとも、ICUに隔離されている“コロナ患者”との面会は謝絶」「死亡時の遺族による最期の看取り禁止」「死亡後24時間以内に火葬を執行」「火葬場での立ち合い禁止+お骨上げ禁止」などが義務付けられていることが、芸能人/志村けんさん、岡江久美子さんの一連で知られるにようになった。そう、遺族はご遺骨を自治体職員の手で自宅まで届けられるのを、ひたすら待たなくてはならない。

さらに昨今の報道では「コロナ感染症で亡くなった方」に対する葬儀の辞退を申し出る寺院が出現したとのことであった。その一方、感染爆発の起きたイタリアにあって「最後の聖祭」をイエス・キリストのミッションを伝える者として粛々として執行し、その結果感染して次々に神の国に召された、多くのカトリック教会司祭との対比がされたりもしている。

ここで國分氏が言っている「問題提起」とは、「我々の世の中は生存だけを是とする社会に踏み出そうとしてはいないか」、そして「このような風潮を万が一にも是とする社会であって本当に良いのか?」ということである。

言い換えれば「死者に敬意を払わない社会」に変質してしまうのではないか、放っておくと…。私たちが先人より引き継いできて、そして、未来の人たちへバトンタッチすべきこの社会を、今の時代を生きる自分たちの勝手で破壊してしまいはしないか――、そういう事に対する強い危機感だと思う。

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葬送儀礼を執行するに当たっても「正しく恐れる」という基本的な態度が大切だと思います。3密を避ける工夫、マスク着用、手洗いなどのガイドライン順守を前提に、私も宗教者の末席を汚す者として、授かったミッション(祈り)を果たしていく所存であります。

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「南無大聖焰曼徳迦威怒王」

「南無遍照金剛」

合掌