千手法~第十五座
千手法を修法。
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94 修法の威神力の話
「陀羅尼(の)秘法というは、方によって薬を合わせ、服食して病を除くがごとし」(性霊集巻九・八七、全集三・五一八頁)
これは「宮中真言院(の)正月(の)御修法の奏上」のなかの一句である。
(中略)
私事をもうして恐縮ながら、昭和54年のある時、急に気がふれて泣いたり喚いたりして、三日間余りもそれが止まらないという、某婦人のご祈祷を頼まれたことがある。車に乗せてこられたが、その婦人は鐘楼堂の下に仰向けに寝転んで、甲高く喚いていた。そこで私はご本尊千手観世音菩薩の御前で、拝み始めた。するとその婦人はそろそろと本堂に入ってきて、次第におとなしくなり、私が壇を下りてお加持すると、横に転げて、スースーと寝息を立てて寝てしまった。それで正気に帰られたことがある。
私はこの時くらいお大師様の秘法の有難さが身にしみたことはない。まさに薬を合わせて病を除くように、仏天は霊的な問題を解決して下さったのである。
佐伯泉澄著:弘法大師 空海百話(東方出版 2002年第19刷)
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「南無千手千眼観自在菩薩」
「南無大師遍照金剛」
合掌