マニフェスト
なぜならば―――、先進国において、GNP比181%(!)にものぼる借金予算を組んだ国はないからだ。バランスシート上で話をすれば、まさに“破綻状態”なのである。
高速道路の無料化、子供手当てなどの甘い味のする政策を遂行ためには、歳出を絞ったくらいでは済まないことを、誰もが薄々感じ始めている。本当にするならば、欧州並みの20%の間接税が必要となることは、実は国民レベルで浸透し始めているのではないか。
『消費税増税は止むを得ない』ことを、わが国の行く末を憂う人ならば、すでに気持ちを固めつつあることだろう。
但し、それをするつもりなら、単なる『政策変更』では済まない。
民主主義国家では、マニフェストに書いていないこと、即ち、『公約していないことをする』場合は、その正しく、且つ、面倒くさい手続きとして、国民の信を問わなくてはならない。それが民主主義国家の道理であり、それを選択した人々の矜持に対して払うべき敬意というものであろう。
バラマキと揶揄される甘い政策に踊らされるほど、今の日本国民はバカではない。厳しい政策に耐える時は、じっと耐えることをする。これが、誇り高き国民のDNAに刷り込まれているはずだ。