蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

火渡り修行~絆~

来る10月10日(月)体育の日、火渡り修行が厳修されます。
 
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以前、この火渡り修行に合わせて(必ず)帰省される方がいる、そういう新聞記事を目にしたことがあります。横浜のような“都会地”でもそういうことがあるのかと、その時はそんな風に感じていました。
 
一方、3.11に起きた大震災によって、東北にある長く住み慣れた故郷を遠く離れ、家族バラバラに生活しなくてはならない、そういう過酷な状況に置かれた方が大勢おられることを知りました。
 
ところで、この行事は横浜市の民俗無形文化財に指定されています。実を言うと、なんで横浜で(わざわざ)“民俗の”無形文化財…?、そう思ったことがあったんです。そういう不埒とも言うべき、不遜な疑問をもったことがありました。
 
恐らくですが、知らず知らずのうちに、横浜は都会地だから…、というような画一的な考えに陥ってしまた結果なのだと思います。
 
横浜だとか、東京だとか、そういう変な固定概念から一回離れる必要があるんですね、きっと…。『絆』という言葉は、案外そういうものの向こう側にあるのかも知れませんね。
 
往昔の修験者が神仏を祈って上げた浄火は、この国に住まいをする人たちの心の琴線に触れる何かがきっとあると思っています。過酷な環境に置かれた方々の気持ちを察するならば、先師から厳重に伝法された柴灯護摩供/火生三昧修行は、今の自分たちに出来る大事なのだと…。
 
東日本大震災物故者の鎮魂を祈り、さらにはその復興を祈らんが為に上げる狼煙』―――。今年は特にそういうつもりで出仕させて頂く所存です。
 
境内はチョッと狭くて恐縮ですが、宜しかったらどうぞお参り下さい。故郷を思うお気持ちにチョッとでも寄り添えるのならば、幸甚の極みであります。
 
合掌