蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

AさんとY君

私自身の身分と言うか、立場と言うべきか。そういった諸々を考えて、少なくとも個人のご祈祷を正面切って受け付けることなど考えたこともなかったが、そうも言っていられない状況になってしまったようだ。

ともあれ、これもまた神仏が与え給うた『尊い課題』なのだ。

**********************************************************************************

職場内で、私のもう一つの顔を知るAさん(仮称)から、甥っ子さん(Y君9歳)が自宅近くで交通事故に遭い、前頭部を強く打ち付けたせいで、十日近くが経過した今なお意識が戻らないという相談があった。しかもY君の左手足には、事故の衝撃で麻痺が出ているらしい。

『助けてください』と言ったAさんの真剣な顔を見て、事態の深刻さを知った。

このAさんは、鎌▲のTヶ岡八幡社近くに住んでおられることもあり、八幡さまを篤く信心している。とりわけこの八幡さまへの祈りは、以前に個人的な相談を宿曜秘法で観た結果を踏まえて、アドバイスめいたことを二つ三つしたことがあったのだが、それが機縁となったものだ。

幸いY君は子供である。と言うのは、小さなお子さんほど、実は、驚くほどの生命力/回復力のあることを、加持/祈祷を実際に修行してことのある人は体験的に知っているものだ。

告白すれば、以前に一面識もなかった女の子の当病平癒を、それも密かに祈ってあげたことがあった。家内の姉の友人のお子さんということだった。所謂『お受験』を控えたお嬢さんだった。

その時の親御さんのお気持ち、特に『合格した!』という知らせのあった時、家族が涙を流して抱き合って喜んだという様子を家内経由で耳にした時、『良かったなあ~』と心底ホッとして、そしてとても嬉しかった。

因みにその女の子は、今では元気に通学しているそうだ。そして、私が一介の行者として祈ったことなど、家内以外は、無論知る由も無いし、それで良い。

だから今度も、神仏にあっては、Y君とご家族に対して、希望の光明を垂れ給うよう至心に祈るだけだ。