蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

新刊書~その1~

昨日、新刊書を二冊購入した。

一冊は『破門殺』(密教占星法奥義)(羽田守快監修・脇長央著:学習研究社-esoterica selection)、もう一冊は『祈りの力』(中村雅彦著:東洋経済新報社)だ。

今回は、増広された『破門殺』(学研esoteica selection)の感想を述べたい。『祈りの力』については別稿にて記す。

『破門殺』(学研/エソテリカ・セレクション)は、先に絶版となった東洋書院刊の増広改定版となる。早速、帰宅中の電車内で、主要箇所を高速で読んだ。これからじっくり拝読することになるものの、新たに公開された星供養次第(略法)などは、特記すべき箇所として、今の段階で早くも申し上げることができると思う。

特に此処の箇所は、昨年末参篭の高尾山星供のことを抜きには語れない。非常に興味深く、且つ、有り難く受け止めているところだ。つまりはこのタイミングこそが、この私にとっては、星宿すべての統率者たる妙見尊星王菩薩の思し召しなのである。

さて、羽田・脇両先生には尊星王流講習会で直接するお話しする機会があり、今回の増広版復刻は非常に心強く感じるものだ。恥ずかしながら、私が講習会の授業中に行った『走り書きメモ』は頼りないこと、この上ない(苦笑)。

ともあれ、本書が実用書として大いに活用できるだろうと、期待と共に感じる理由は、実は、奥伝の一部が本書にはサマリーされていることを目にしたからである。前にこのブログで紹介したとおり、職場の人を中心に、複数の知り合いの相談を受けるような時、手短にサッと回答することをずっと意識していた。しかも『その何気ない指摘』によって、相談者の隠された本音が引き出されてしまうことは、その時に得た貴重な体験だった。本書の奥伝部分とは、そのような極めて実際的な部分に対応するものと言える。

さりながら、その箇所がどこかは、感性の鋭い方ならすでにお見通しなのかもしれない。而して私もまた、尊星王流門人会の末席を汚す身。秘法の不許可披見の教えに倣って、具体的に何であるかは、ここでは伏せることにする。

以下は余談である―――。

著者の脇先生の物腰が従兄Hに余りに似ていたことが、時々思い出されることがある。羽田先生が東洋書院版の巻頭で、脇先生をして『篤実の人』と表現されているのだが、その時の会話を思い出すと、その訳を垣間見たような気がするのも事実である。

失礼を覚悟でその従兄Hに重ねてみると、例えば従兄Hのノートは極めて几帳面だったし、アナログ的に記憶/理解するあまり、授業中でも余計なことを考えがちなこの私と違い、要点をコンパクトに整理する能力とも相俟って、テストなどでは群を抜いていたのが従兄Hであった。私が、自らの『走り書きメモ』の不備を後悔しつつ、それを補って余りあるとする所以は、そのような理由による。

それゆえ、もともと脇先生のノートから起こし、発刊されたとする本書の増広版は、これからの私の活動を大きく助けてくれるに違いない。そのように考える次第だ。