蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

自分の仕事

現在勤務する会社の仕事について紹介します。某総合商社の物流サービスを担うミッションを負っております。私はその中にあって、北米向けの自動車CKD輸送業務(CKD = Complete Knock Down)を担当しており、9割方が自動車関連部品を中心とする北米輸出/輸入関連の仕事をしています。それゆえ、邦船/外船社を含めた北米航路担当者の人とは、ある意味『お友だち』となっているくらいで、そういう人たちと、冗談とも本気ともつかない言葉でやり取りしています。

仕事柄、英語を道具とすることがとても求められます。最初の頃、契約書(英文)の確認作業と聞いて、心底ウンザリしていた人間でした。『げえ~、何ページあるのこれ…』と云う感じで、何度も帰りの電車内に持ち込んでいました。日本語だって大変なのに、英語かよみたいな…(苦笑)。

ところで、昨今の北朝鮮問題で時々報道される『PSI』(大量破壊兵器拡散防止プログラム)なる言葉。実は、もう3年くらい前から、つまりその導入時点から、仕事上の常識として付き合っております。私たちの職場で『CSI = Container Security Initiative』ととして知られる運用規則がそれです。そして、その遵守(compliance)を誓約して米国税関当局の資格審査に臨み、『C-TPAT = Customs-Trade Partnership Against Terrorism』と呼ばれるプログラムの参加者となるべく迅速に対応して現在に到っています。

9.11の同時多発テロを受けて、米国の安全保障政策が大きく舵を切った時、日本の輸出企業は、とりわけ自動車産業を始めとする製造業の人たちは、リードタイムに著しく影響するこのプログラム内容を直ぐに理解して、そして、黙って受け容れました。

このプログラムでは、本船または飛行機が米国主要港に入港する24時間以前に、米国税関当局に対して、積荷目録(manifest)情報を事前(Advance)に送信しなくてはなりません。従って、船積み作業のあらゆる段階で、従前の72時間以上もの前倒し発生が判明したことから、関係者の間に衝撃が走りました。『土日を挟んだら、120時間も前になるじゃないか…』と。

これは『在庫圧縮』を常々掲げてコスト圧縮に取り組むメーカーにとっては、思ってもみない必達項目が出来たに等しいものであって、しかも、その解決を躊躇した企業は間違いなく後塵を拝することを予感させるものでした。

その時、皆、名状し難い緊張感に包まれていたのは事実でした。それぞれが、個人的に米国人の知り合いが多くいる中で、同情の念を禁じ得ない状況であったと思います。言える事は『友人の危機』に臨んで、出来る限りの協力を惜しまないということであって、グループ会社の関連部員が総出して、米国税関プログラムの改編を逐一フォローするという大変に骨の折れる仕事を、黙々とこなしました。

どうして…、『そういう貴方が』密教修験道の世界に足を踏み入れたか―――。こういう設問自体が、大きな誤解の源になるのでしょう。このブログを見て、『抹香臭い世界』と思った人がいるとすれば、それはそれで止むを得ないと思っていますが、それは若しかしたら『葬儀のイメージ』が跋扈するからでしょう。
この辺りを説明するためにも、私自身の弘法大師空海との出遭いから説き起こす必要があると思っています。

空海という人が樹立した思想/行動哲学。真言密教のもつ巨大な魅力は、汲めども尽きない泉のようなものです。これを読み解くことは、恐らく死ぬまでかかる作業かも知れません。

曼荼羅の人』を説明するチャンス―――。この私にも、漸く与えられたのだなと思って感謝しています。