FUKUSHIMA 50 ~レベル7~
この人たちのことは、特に米国の報道機関で大きく取り上げた。ハリウッド映画さながらの防護服を身にまとい、被爆の危険を顧みず、破壊された発電所施設の復旧に全力をあげた勇気あるヒーローとして、米国の報道機関は取り上げたのだ。
当時の米国ABCなどのニュース番組を見ると、『心配をかけるから、家族に詳細を伝えることをせず、通常の日常業務であるかのようなスマホメール送ったこと』などが、家族のインタビューとともに紹介されていた。(*)
(*)数日して事故の実際を知った家族がTwitterで返信し、
『I never heard my mother cry so hard(お母さんがあんなに泣いたの初めて聞いた).』
『Please dad, come back alive(お父さん、お願い、どうか生きて帰って).』
『日本にはこんな勇気ある人たちがいるのか』
『この人たちがいなかったら、史上最悪の原子力事故になっていた』…。
その時のABCのニュースキャスターの顔は本当に印象的だった。
尤も、かの50人の人たちにすれば、「俺たちの仕事だよ、『業務の一環』に過ぎない」、そう今でも言われるのかもしれないし、事実はそうであろう。
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自分たちの勝手な思い込みで、福島での仕事の誇りを泥まみれにさせた人たちがいる。
仕事に対するプライドというものは、大っぴらに語るものではなくて、行動で証明するもの―――。
勇気とかプライドとかは、本来そういうものではないだろうか。
それをいいことに、好き放題書いていいわけがない。