蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

新寺建立

仮にK先生とします。昨年11月、およそ35年間の活動が評価され、新寺建立の法会を、教区の諸大徳と供に厳修されました。

先にお断りしたいのですが、この先生の自坊がそのままお寺になったのであります。改めて新築されたのではなくて、住宅地の民家の一室が改良されて、まさに『簡素な』という形容詞は、こういう場所にこそ相応しいと思われるような小さな道場。ここで『晋山』されたのでした。

K先生は、ご自身の言葉をお借りすれば『弘法大師の教えに惚れ込んで…』とのことですが、弘法大師空海を常に思慕され、ひたすらに加持の実修に打ち込んだとの話をされました。それをお聞きした時、我が身の襟を自然と正すべきを率直に思いました。

『この人には実績がある!』とは、訝しがる人たちを前にして、そのK先生を推薦された某大徳さまの一喝であります。加持・祈祷と云うお大師さまからの、後進に遺された秘法を未熟さ加減のゆえにもてあまし、挙句の果てに『そこにある施設』を利用することばかり考えがちな空気。まさに身体を張って、自らの大志を貫いて信心の誠を実証されたことは、後進の私は己が脳天を撃たれたような気持ちが致しました。そして、自らの至らなさを感じただけではなくて、これから先に起こるであろう諸難事あろうとも、それらを乗り越えていく勇気を頂戴したような、そんな気持ちに包まれました。

本当に有り難いことです。K先生、本当におめでとうございます。そして、本当に有り難うございます。

末資/蓮華童子
恭敬合掌