蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

青い空

本当に苦しんでいる人に、キレイな答えなど出来ない。ジ~ッと聞いてあげる。優しい言葉のひとつもあれば十分なのだ。

青い空は(確かに)ある。だから、今は見えなくたって良い。一緒に泣いてあげることだって、ありだ。

泣いてばかりいたってしょうがない。気持ちが済んだら、今度はチョッとでも見えるよう、一緒に拝む。拝むことで希望が持てるんだったら、それで良いではないか―――。密門/験門の行者だからこそ、そうするのだ。

◎『定年出家』~鬼刑事、僧侶になる~:大島龍穏著(小学館

http://www.chugainippoh.co.jp/NEWWEB/n-interviews/Nint/n-d041211.htm

苦しみの底に沈んだ人の小さな灯りになるため…、『紙のお寺』を建立された由。本来こうあるべきだろう。

私の祖父は、在家出身の日蓮宗の一派/法華宗僧侶だった。終戦後のゴタゴタで、生きるためとは言え、法を犯し、一時、警察のご厄介になった。そういう前科者となった初老男が一念発起、寺男を経て小僧となり、晩年は、淡路島の小さな寺で、法華経の法灯を護持することを許された。

娑婆の苦しみを知らない者に『出家』の話はあり得ないと、祖父の晋山式の写真を思い出して、つくづく思う。