蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

光明真言法~父の死

先週土曜日2/26、父が亡くなりました。92歳でした。

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現役時代は税関業務に携わり、とりわけ輸入通関行政に精通していました。退官後も、その知見を活かして、再就職先では顧問職などを歴任しました。

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現役のある時期、東京税関成田空港支署の幹部としてNHK夜7時のニュースに出たことがありました。日本の半導体産業が全盛期の1980年代の頃です。

当時、「軽薄短小」という経済用語が流行していました。「インタビューの中で、そういうキャッチーな言葉を巧みに用いて(?!)解説したことが受けたみたいだ」、そんなことを言っていた記憶があります。

東京税関における通関業政も大きく影響を受けている風な話でした。「自分たちも日本の主要産業を支えているんだよ」みたいな感じ満載で😅、何とも誇らしげにしていた表情が忘れられません。

余談ながら、近所の酒屋さんのご主人から「昨日、7時のニュース見たよ」「甲斐さんところのお父さんって偉いんだねえ~」とか言われました…(笑)。

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昨日2/28(月)、遺体を安置している葬祭場に家内と出向き、お別れの挨拶をしてきました。安心して眠っているような感じでした。

場所柄、小声になってしまいましたが、枕経を上げました。息子として「こんな自分でもここまで出来るようになったんだよね」とか思いながら。

いくつかの所作については、普段と変わらずで「常の通り」に行いましたが、その刹那に「これを授かった時は凄く大変だったよ」とか、生きている時にお喋りしているような感覚にフッと捉われました。

昨今の葬儀事情は様々な要因で、戒名どころか通夜も葬儀もないような状況です。一方、そうは言っても、その時々の事情に最大限の創意と工夫で先師方は施主に寄り添ってこられました。

私はこのような状況下では「ファミリー・ヒストリー」ではありませんが、先ずはご先祖さまに呼びかけるようにしています。特に施餓鬼作法では、行者としての私の思いが、メッセージとして伝わりやすいようです。

実際、それによって何度も不思議を見てきましたので、訃報を受けたその晩を含め、並行して今回もそのように行っています。

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さて。新寂精霊である父の御霊を送るに当たり、改めてご先祖さまに概要をお知らせして、恙なくお迎えに来てもらえるよう、本日の一座では祈念を凝らした次第です。

勿論、普段の様々な祈りの所作の中で冥福を祈りながら…、回向しながら…は、変わりありません。「常の如し」であります。

【追記】

昨日の遺体との面会の際、家内は涙ぐんでいました。「大変にお世話になりました」と言って。そんな風に言ってもらえた舅たる父――、誠に有り難いことです。

それだけではなく、帰宅途中の東京駅では本日の供菓として仙台の銘菓を買い、今日の朝一で供花を買いに走り、一座終了後には斎食の準備までしてくれました。

まったき父は果報者であります。

合掌