蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

重い言葉

東方出版から『柱源神法』が、昨日届いた。早速開封して、ざっとだが、一通り眼を通してみた。

はっきり言おう。『修験の伝法』を受けた人ならば、(間違いなく)感銘を受ける内容だと思う。『所作の違い』としてしまえばそれまでなのだ。だが、細かい所作の端々に、先師から脈々として伝法される『行者魂』みたいなものを感じる人は、私だけではないのではないか。

実は一昨日、山形のK師から電話を頂戴した。この本が出版されたことを知って、同じく購入され、同門の人にも推薦するとのことだった。

そして、『反響はどうなのですか』と…。これが公開されることについては、当然、賛否両論の予想されるところで、反対する人たちの反応を慮ってのことだった。

言えることは、このまま世間の波間で消滅するくらいなら、多少のリスクを負うのは覚悟で、著者のT・C師は出版を決意されたのだろうと。私個人は、『こういう時勢であるから、寧ろ拍手喝さいすらして歓迎する人がきっといると思う』と、K師に返答した。『その話を聞けて、何だか嬉しい気持ちがする』、そうK師は応答されて、会話を終えた。

『修験行者は、口伝による伝法を極度に尊重するから、世間では低く見られるものだ。』

『(そういう逆風にさらされてなお、)三憲・峯受・峯中の三つを全部やりきるのだ…。』

体験至上主義でも、哲学至上主義でもなく、故W部先生の言葉は、そういう意味でとても重く、そして、市井にあって精進を続ける行者を叱咤激励して止まないものだ。

私自身、正直なところどこまで出来るか分からない。けれども、ジーンとするような、そういう勇気を昨夜もらったことだけは、『確かだ』。