蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

金剛童子

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当山派では、金剛童子蔵王権現とする。

この教え自体は、一昔前ならば非公開であったと思う。しかしながら、昨今はこの秘事を解説した良書も複数あり、別段公開されたことで問題はないと思っているものの、それ以上の大事について、謹み随うことに謙虚であることだけは、決して忘れることではない。

この仏尊を、修験開祖/神変大菩薩大峰山中で祈り出されたことは、(かなり)知られている。而してその立ち姿には、即ち、まさに片足を大きく上げ切ったその姿に、行者は自らの自戒を込めて深秘を観る。

ともあれ、強烈な山の神威を一身に体現された憤怒形は、天魔外道を恐怖馳走させ、悪刹妖星を一蹴する大威力をシンボリックにしたものと言えるだろう。

『山の神霊』―――-。それゆえ、金剛童子蔵王権現を知りたくば、『山に入る』ことだ。この仏尊の大威力だけは、山の霊気を身体全体で受け止める体験があって、初めて里の言葉に乗せて説明ができよう。なぜならば、『入峰』とは、行者の懺悔滅罪第一の修行だからである。その山中の危険と隣り合わせた命懸けの修行を、この仏尊は外護される。

言い換えると、とりわけ(不敬の)行者の入峰の生殺与奪は、この金剛童子蔵王権現の任である。それすらも誓願として護持される事実を、よく知らねば/気付かねばならないのである。

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罪障消滅、厄難消除、家内安全、講中安全、諸願成就、乃至法界平等利益

皆さまのご多幸をお祈り申し上げる。

合掌