地蔵法～結願座
『新橋の居酒屋で国籍関係なく皆で酒を飲み、カラオケを歌った時は本当に楽しかった』
こういう日常の当たり前（と私たちが思っている）ことが、まったく当たり前ではない、非日常でしかない／なかった人のいることを目の当たりにする現実――。
奇しくも地蔵菩薩の結願座と重なり、ポツリと漏らしたとされるその言葉が余りに哀れで、御霊の往生と、そしてその菩提に（心中にてそっと静かに）回向させて頂きました。
振り返れば、私たち日本人も血を血で洗う戦乱の時代がずっとあって、たまたま今、そういう陰惨なやり取りが起きていない時代を生きています。
大義名分の名の下で行われたであろう、それらの一々に対して、先徳先師方はそれをまさに目前にし、さらにはその渦中にあって、自分の護持すべき使命と役割を必死に確認模索する中で、大いに悩み、とりわけ地蔵菩薩をはじめとする諸尊に対して、御霊の往生、菩提仏果の増進を祈ってこられたのだと思っています。
私見を許さるのならば、『もう戦う必要もなければ、それを恐れることもなし――』。これを言って下さる仏さまだと思います、地蔵菩薩という仏さまは。誠に有り難いことであります。
『南無地蔵菩薩六道能化摩尼部中』
合掌
