蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

光明真言法~第二十座

光明真言法は残すところ後一座で結願。

先日伯父が亡くなりました。本日の一座で菩提仏果を祈りました。

伯父との思い出では、こんなことがありました。

それは結婚式の仲人を務めてくれた、母の従弟となる叔父が亡くなった時のことです。

その叔父の亡骸を前にして、今回亡くなった伯父と親族が見守る中、その枕頭で枕経を上げる機会がありました。

その時、伯父が、「ねえ、和尚さん、皆に顔を見せてあげてよ」と、『和尚さん』たるこの私に白布を取るよう促したのです。一瞬、ドキッとしました。

実際、その時は小僧もいいところで、枕経を上げることすら憚られるのではと思いながらも、自分がしなくて誰がするのだという気持ちもあったので、それではとばかり、私が白布を取り、懸命になって理趣経百字偈と不動真言をお唱えしたことを覚えています。

帰り道、駅のコンコースで話していた時、「僕みたいな未熟者にお経なんか上げられたら却って迷ってしまうかも…」とフッと漏らしたところ、「そんなことあるか(!)。甥っ子にお経を上げてもらって、こんな功徳あるか」と言ってくれました。

その時は「『和尚さん』なんてからかわれているんだ、きっと…」とか、えらく罰当たりなことを思ったりしたのですが、今となっては「伯父さんなりに励ましてくれていたのだ」と思って感謝しています。

実際、その時――、白布を上げ、お経を上げながらフッと死顔に目をやると、左目から涙が一筋。今でも脳裏に焼き付いて離れません。

『南無遍照金剛』

『南無神変大菩薩

『南無聖宝尊師』

合掌