蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

母の話 ~ Schindler's List - Theme Itzhak Perlman

先日、実家に帰り母の話を聞く機会をもちました。
 
昭和20年8月12日、日露不可侵条約を一方的に破棄し、ソ満国境を破ってなだれ込んだソ連軍。これに対し、関東軍は以下の命令を発しました。
 
婦女子は満州奉天から朝鮮(*)に向けて疎開(≒避難)せよ――、その一連顛末を改めて聞いたのでした。
 
★ 生きたくてもその命をつなげることのできなかった同胞のいた事実。今を生きる私たちは、そのことを決して忘れてはならない、そう強く思いました。
 
(*)朝鮮平安北道定州郡葛山面 五山中学
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・ 種族滅亡という古代史の転換期に生涯をおくった釈尊は、現実の戦争体験をとおして、衆生愛の慈悲を説くに至った、とみなければならない。
・ 慈悲はおめでたい博愛主義ではない。それはもっとも厳しい批判的精神と激しい怒りを限りない悲しみのこころを宿しているものなのである。
 
・ 『すべての者は、暴力におびえる。すべての者は、死をおそれる。自分に引き比べて殺してはならぬ。人をして殺させてはならぬ』(ダンマパダ§129)
 
・ 自分に引き比べ、殺される身になってみよ。
 
・ 釈尊仏教の平和思想は決して日和見主義的な現実和解ではなく、力の論理を排除するきびしい実践のなかで鍛えぬかれ、確立されたのである。
 
以上引用/宮坂宥勝著『密教への誘い』(人文書院 1979) 下線部:蓮華童子による