天台＆真言声明 真言法響会十周年記念声明公演
以前、火渡り道場からの帰りの車中で師僧がポツリと一言。『声明ができて坊さんとして一人前だよ』と。以来、その言葉が耳の底にずっと残っています。
声明は一日でも唱えないと、その分下手になる気がします。下手というのも変なのですが、音が取れなかったりして、フニャフニャになってしまうという感じです。
ともかく少しだけでもいいからと、毎日唱えていると、今度は心がフッと軽くなったりするものなんですね。
声明を唱えている間、お坊さんはプチ瞑想しているようなものですから。
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現代を急ぎ足で生きる人には、とっつきにくいものであることは確かでしょう。私も最初は全くダメで、受け付けないどころか、『意味が分からなかった』―――。
そういう現代人ほど、何かを決めきらなくてはならない時があるものなんですね。しかも、誰にも相談できない状況に直面するものなんです、まさにトホホの状況です。。。
そういう時、心を澄ませ目を閉じて、秘密の音の曼荼羅に身を委ねるんです。
『意味が分からない』で、まったく構いません。
『意味を問うこと』―――、これを大事にし過ぎなのだと思っています。
現代に生きる人がもつ悪い癖（くせ）が隠れているんです。
そういうことに気付けたら、光明が見えてくると思います。
