蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

露地之偈

当山派修験道の法要では、冒頭、導師発音で『露地之偈』が唱えられる。布薩・受戒会の時に唱えられるものと同様であり(*)、ずっと以前目にした故W部大僧正の解説では、露地之偈は阿含経の一節であるとのことだ。

要は、これから御仏との結縁を願う受者らが道場に進列する道中で、露地之偈を聴聞して法界の清浄たることを知り、且つ、それによって己が心身の清浄たるべきことを(強く)自覚するのである。

(*)『CD醍醐寺の声明』解説文を参照のこと

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昨日の朝、いつものように早朝シャワーを浴びようと浴室に足を踏み入れた時のことだ。妙に“臭う”のである(苦笑)。浴室の電灯もチカチカしているではないか。瞬時に怪異(?)、否、『またか…』と独り苦笑いしてしまった。

ここのところ、お盆の時期に突入したこともあり、休日にはせっせと施食作法をしていたこともあって、どうやら『訪問者』があったようだ。

フッと『露地之偈』を口ずさんだ。導師の箇所から発音し、後は職衆さながらに唱えた。程なくチカチカは消えた―――。併せて本覚讃を唱えて回向し、後はいつもの手順でシャワーを浴び、ヒゲを剃って身支度した。

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ご参考であるが、露地之偈は市販の経典・書籍等には掲載されていない。師僧や先達師らと一緒に唱え、耳で覚えることが基本である。『聞法する』ことの大切さ、仏法を間近に聴聞することの尊さを教えるものなのだ。

件の“訪問者”も、きっとそれを感じてくれたものと信じている。

合掌