蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

仁王経法~中日座

仁王経法の修行は中日座へ。

この行法には「鎮国利民のために修す」とあり、そもそもは、大きな意味(国レベル)での息災・増益を祈る大法です。
一方で、庶民生活に求められる一々のささやかな利生を一手に引き受けてきた祈りであり、そのような歴史を刻んできた祈りであることも、また重要な一面であります。

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この秘密行法を授けて頂いたのは、東日本大震災のあった2011年3月から1か月後のことでした。

伝授会の冒頭、この未曽有の大災害によって遭難した御霊のため、大阿さまが導師、受者一同が職衆となって『序品第一』と『護国品第五』を読経し、まさに顕立仁王経法を一座修行した時のことは今でも思い出します。

その時、東京から参加した私は、読経中に不覚にも涙をこぼしてしまいました。発災後の3日目となる月曜日に有楽町駅頭で『陸前高田』の法被を着て必死の呼びかけをしていた方達の目—―、帰宅難民となった人々の列――、計画停電で昼なお暗い室内――、そういうことを含め、諸々の思いが一気に押し寄せてきたからでした。

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千葉県野田市で亡くなった小学校4年生のMちゃん。こんな理不尽な死に方をどうしてしなければならなかったのか…。すべての子供は幸せに楽しく生きる権利のあることを、私は声を大にして言いたい。

今の私にできること。本日の一座にて、Mちゃんの御霊の後生の安心安全をお祈りすることでした。せめてお浄土への道行きでは心細い思いをしないよう、お不動さまをはじめ四大明王の各尊に、この幼気な少女の御霊のため同道外護をお願い致しました。

かつて、東日本大震災の時に無念の死を受け入れなければならなかった方達…。私は『顕立仁王経法の職衆の一人』として回向させて頂いた日のことをを思い出して、この秘密行法を授かった時に抱いた『格別の確信』とともに、Mちゃんのため、心静かに回向致しました。

追記
散念誦の際、お不動さまの真言を唱え始めたところで、そして、下礼盤して印仏読経をしたところで、壇上にて印がありましたので、納受してくれたのかな、そのように受け止めたところです。合掌