蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

孔雀経法~第二座

孔雀経法を修法。

昨日は本山にお参りしました。150年ぶりに復興された『太元帥大法』に参座するためです。

別当さまのお話では、醍醐寺に伝承される文書にできる限り忠実に再興されたとのことです。当日は、宗内の寺院教会関係者の限定でしたが、参座者は、修法中の道場内に立ち入ることを許されました。厳粛な雰囲気のなか、30分ほどでしたが、心静かに座って祈りの空間に身を委ねることが出来ました。

その太元帥大法こそ、鎮護国家を祈る秘法として、天皇陛下の代替わりの度に、醍醐寺理性院にて連綿として修法されてきた大法であります。

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さて、この孔雀経法も同じく鎮護国家を祈る大法です。世の中の平和と安寧を祈ることについては、全く軌を一にするものです。昨日参座で受けた深い感銘の熱がまだ冷めやらないなか、本日の孔雀経法を至心に修行致しました。

「世の中の平和と安寧」と言うと、何か遠い世界の出来事にように聞こえる人もいるかも知れません。因みに私の場合になりますが、仕事がら、世界情勢を知らないでは済まされない日常があり、地球の裏側の出来事であっても、その乱れが足元の生活に直結することをリアルに感じることが、実際多くあります。

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先師から厳格に伝承されたこれらの真言秘密行法の祈りを通じて、社会全体、そして、日常生活をどうやったら平穏無事なものにすることが出来るか――、先ずは自分自身に出来ることを半歩でも一歩でも実行しつつ、日々精進を続けたい、そのように願っています。

「南無三世仏母孔雀大明王

合掌

孔雀経法~開白座

孔雀経法を開白しました。

2年前の10月、東大寺の伝授道場にて授けて頂いた以降、今回が2回目の開白となります。結願に向けて、しっかりと修行していく所存です。

さて、唐突ながら、行法の中に「金剛眼」という作法があり、少しばかり説明したいと思います。これは先に結願した「一法界ソリヤ法」の中にもあるものです。

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修法する行者が、自ら加持したその両眼を密壇上の諸々に差し向け、清浄の場所とするべく、魔障を退散させ、併せて結界を張る――、このような観念を含む所作を行います。

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この作法は、何も修法中に限定されたものだけではなく、修法道場に入る際にも行います。行者は、その眼を通じて、修法道場の床一面に咲き誇った一々の蓮華、蓮華、蓮華…を足下に観じながら、修法壇に向かいます。

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私は普段は会社員をしています。

この金剛眼の作法を修する度に「日常の通勤風景を金剛眼で眺めるべし」という思いに捉われます。そういう思いで、バスに乗り、電車を乗り継ぎ、駅ナカ、そして、会社までの道のりを歩いています。

上の写真は、昨日の会社からの帰り道で撮影しました。「ああ、きれいだな」と、この7月に再就職した以降、ずっと感じていました。

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このような風景――、平和であればこその風景であります。「都会地の夜景!」というだけでは足りません、特に今の世界では。

この平和を乱す動きに対して、微力ではあっても抵抗しなくてはならないと思っております。行者として出来ることは「祈ること」です。

前職時代に一緒に働いた仲間が、若しかしたら「動員されるかもしれない」という、まさかの事態となっています。愕然としています。

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今回、修法本尊として「国立博物館孔雀明王像(国宝)」の色紙を開眼しました。この色紙は、記憶は定かではないのですが、もう20年くらい前、国立博物館売店で購入したものだったと思います。

東京国立博物館 - コレクション コレクション一覧 名品ギャラリー 館蔵品一覧 孔雀明王像(くじゃくみょうおうぞう) (tnm.jp)

その時は「こういう仏さまをいつか拝めたらいいなあ」くらいの、本当に夢物語みたいな感覚でいました。

前回の開白では、実はこの色紙のあることを失念していたため、別なる孔雀明王絵図にて二十一座を拝んでいました。勿論、その絵図の優劣を述べているのではありません。その時はその時で、その時点の私に最も相応しい本尊絵図として、ご縁を授かったのだと思います。

そして、今回――、「機縁が熟して」という言葉の通りになったような気がします。なぜなら、孔雀明王という仏さまのご誓願は、「仏母大孔雀明王経」に記述された内容に沿えば、専ら「息災」だからです。勿論、四種法のどの分野も(降雨、止雨を含めて)広大にカバーされることを利生とされていますが、経典は息災の利生を専らとしているのです。

但し、その息災に特別なフォーカスをされた内容には、私は、甚深の意味(秘密)が隠されていると(とても強く)感じています。

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東大寺における伝授の最後に「横死者、変死者」に係る秘事のお話が、伝授阿闍梨さまからありました。私のノートにも、しっかり記録されている口訣です。

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今この瞬間、遠く9000キロ離れた場所では、戦闘と死闘が繰り広げられています。もう半年以上も経過しています。昨夜の報道(自国の領土に併合する云々)を知って、ますます終わりが見えない状況になったと思っています。そして、この間にも犠牲者の数だけは容赦なく増え続けています。

私は、市井の一行者として「その口訣が目指すところ」を胸に刻んで、これからしっかりとお祈りしていく所存です。

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「南無三世仏母大孔雀明王

「南無遍照金剛」

「南無神変大菩薩

「南無聖宝尊師」

合掌

一法界ソリヤ法(理趣法)~結願座

理趣法を結願しました。

4月30日に開白して、漸く結願することが出来ました。今回は深く思うところあり、何度も書きましたが、三七日(21座)にて修行致しました。

ちょうど秋のお彼岸で結願することが出来ましたので、神仏のお導きと受け止めているところです。修行中に常に念頭にあった、父や叔父の御霊に関しても、きっと安心してもらえたのではないか――、そのように思っています。

この行法と同時進行する形で、「秘密経典 理趣経」(八田幸雄著)を読み進めているのですが、「発見」「発見」の連続で、とても有り難く感じています。購入した25年前の「戸惑い」がウソのようです…。

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亡き叔父の名刺をお守り代わりにして定期入れ兼用名刺入れに入れて携帯していることを、以前のブログで書きました。

実は業務中に「○○叔父さん、何か変だよ、これって」とか呟くことがあるのですが、数時間後に「あれっ、変わった!」ということが多発しています(笑)

あの世とこの世でタッグを組んで(?!)、一緒に仕事しているようです。若しかしたら、叔父もあの世で(意外にも)楽しんでいるのかも知れません。

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「南無大師遍照金剛」

合掌

 

 

一法界ソリヤ法(理趣法)~第二十座

理趣法を修法。

先週は伝授会と重なった関係もあって修法をお休みしましたので、2週間ぶりということになります。

「待ってたよおおお~」という(いつもの)声なき声が、聞こえたような、聞こえなかったような…。(笑)

「やるべきことをキッチリやる」――、三界万霊のため、お大師さまの理趣法を結願に向けて拝むことは、行者のミッションだと思って、本日の一座も常の通り、しっかりと務めた次第です。

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行中、「出る杭は打たれる」BUT「出過ぎた杭は打たれない」というメッセージが突如として湧いてきました。。。

「それもそうだな」――、そうすることに決めました。「やります」、フフフ☺☺

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「南無大師遍照金剛」

合掌

修験道秘法に係る伝授会

昨日は修験道秘法の伝授会が都内某所で行われ、またひとつ貴重な秘法を授けて頂きました。

実は今年の1月以来のことであります。

改めて修験道の先師方の創意工夫に感服した次第です。教学を修めつつ、一方で市井の一行者として実践していくことの大切さを、今回の伝授会で痛感致しました。

当日、お大師さまの「般若心経秘鍵」が話題に上がりました。「『論理の飛躍だ』、ましてや『牽強付会の論である』とか一部では言われているのは重々承知で『凡人には分からないだけで、お大師さまに見えていたんでしょうね(笑)』」など、大阿さまと出席された先生方と親しくお話しさせて頂き、また、この他にもとても今日海部会お話しを聞かせて頂き、大変に有意義な時間でした。誠に有り難うございました。

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新しい職場への通勤で、恥ずかしながら「筋肉痛」になっていたのですが😅、漸くそれも癒えてきました。

まだまだ慣れない部分も多々ありますが、神仏への日日の祈りを続けながら、着実に歩みを進めていく所存です。

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「南無大師遍照金剛」

合掌