蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

千手法~秘密の鍵~

今日も千手法…。先般の柴灯護摩供の無魔成満、そして己の出仕の勤めを無事完了できたことに対する感謝をこめて。
 
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お大師さまが般若心経秘鍵を著したことは、皆さまもよくご存じの通りである。
 
この中に『哀れなるかな、哀れなるかな(後略)…』という一節がある。この言葉に対して、『生きる意味を封印する者に対する弘法大師の嘆きが込められている』という趣旨の説明がある。(学習研究社刊:空海の本(2006))
 
般若心経とは、観音さま自ら般若空の悟りをシャーリプトラ尊者に語りかける内容で構成されている。その“解説書”となる般若心経秘鍵は、解説の域を遥かに越えて、つまりは何十倍にも踏み込んで、弘法大師真言密教に対する思い全てをぶつけて構成された、まさに空前の宇宙観がそこにあると言って過言ではない著作である。
 
それゆえの『哀れなるかな』なのだ。であれば―――、そこを正しく受け止めなくてはならない。分からなければ、分かるまで自らの歩みを止めてはならない。
 
『南無千手千眼観自在菩薩』
合掌