千手法~行方不明者~
続いて千手法を拝む。
実は家内の叔父が行方不明になっていることが、昨夕分かった。宮城県亘理郡の山元町山寺という、今回の大津波で壊滅的な被害を受けた仙台空港からほぼ南に20kmチョッと下ったところ(ほとんど海沿い)に住んでいた。
『もともと大工の棟梁が自分の家にと思って作った家だったんだよ』という、自慢の邸宅だった。埼玉で長く獣医をして、定年後は夫婦ともに移り住んでいた。
日曜日は、まずは朝のお勤めで過去聖霊の菩提に回向しているのだが、なんともやり切れない気持ちで一杯だった。ついでに申し上げると、週末の夜半は施餓鬼作法を拝んでいるが、昨夜は浄月輪が煌々として輝く暗闇の中で一人、万一のことを思ってひたすら作法を勤めた。
★ 突然であるが、この稿に追記したい。先ほど午後8時、家内の父から電話があった。その叔父の遺体が発見されたとの連絡が地元警察から入ったと…。地震から10日近く経ってしまったが、ようやく家族のもとに帰ることになった。探し出して下さった、警察を始め、消防、自衛隊、役場などの関係者の皆さまに厚く御礼申し上げます。きっと(!)叔父は諸仏諸菩薩の光明に照らされ、お浄土に連れて行って頂けることと信じております。仏さま、新寂精霊となりました叔父のことを、どうかどうか宜しくお願い申し上げます。
『南無千手千眼観世音菩薩』
合掌