蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

幸せを呼ぶ仏像めぐり

一冊のマンガをご紹介したい。
 
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私はこの本を読んで、僭越ではあるが、『信仰の原点というものを非常に分かりやすく紹介している』という印象を強くもち、著書の悟東あすか先生のHPから、読後の感想をしたためた短いメールを送った。
 
『祈りというものにどうやって向き合っていくか、誰もが迷い、本当のところ一番知りたがっている箇所に対して、非常に有益なヒントとなると思います』と。
 
この本の内容は、漫画本という体裁を取っているが、著書の悟東先生の略歴から分かるように、紹介された内容について(もしかしたら)賛否両論はあるだろう。特に天部の神々を一般向けと称して記述する際は、少し注意をしなくてはいけない場合があり、それはそれで否定はしない。
 
但し―――、さりげなく口伝とされる箇所が含まれる作品全体の中に、かつて三井英光大僧正が著書で語られていたことを彷彿とさせる部分が多々あり、そのことは混迷の娑婆世間にあって、一筋の光明となって“真剣に求める人”の人生行路を照らすはず、それだけは申し上げたいし、そう申し上げられる。
 
なぜならば、今までこういう『密教の祈りの内面』について、あまりにも語られないできたからである。
 
平和な時代は良い。ただ、考えてもみて欲しい。中世の日本社会で、どうしてかくも多彩な分派活動が、神道陰陽道を巻き込む形で東密/台密各流派で起きたかを。それは、その当時の人が真剣に求めた結果なのである。
 
年間3万人を下らない自殺者を出す現代日本社会。およそ3年間で10万人もの自死者を出す社会は、戦乱の中世社会と大して変わらないではないか。答えを求めても何も答えを返せない社会とは、『閉塞感が漂う』の表現だけでは済まされない、実は末法の世そのものなのである。
 
詰まるところ、仏天への祈りは、まずはその人が目の前の苦境を克服して『衣食足りての礼節』をよく知り、且つ、その先にその人自身の中で気付かされていく/気付いていくという、人格陶冶の道を含む極めて重要な行動哲学のプロセスなのである。
 
そこで見聞するかもしれない“不思議”、或いは“神秘体験”を通じて、その人は必ずや深い感銘を受け、自身の今までの生き方を見直し、そして、威儀を正して、『希望』の二文字を生涯に渡って、自らの心に強く刻みつけることをするだろう。さらに他の人にも、きっとそうするであろう。
 
最後になるが、悟東先生のこのご本から受けた更なる印象については、かつて本ブログでもご紹介した『南北戦争を戦った兵士のポエム』に置き換え、私の結びの言葉とさせて頂きたいと思う。
 
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A soldier's prayer
(Attributed to an unknown Confederate soldier)
南北戦争を戦った名もなき兵士の祈り
I asked God for strength, that I might achieve.
私は神に強さを願った、成功できる人になれるようにと。

I was made weak, that I might learn humbly to obey...
けれども神は私を弱気の人間にされた、謙虚に従う人になれるようにと。
 
I asked for health, that I might do great things.
私は神に健康を願った、立派なことができる人になれるようにと。

I was given infirmity, that I might do better things...
けれども、私には弱い体が与えられた、より良いことをする人になれるようにと。
 
I asked for riches, that I might be happy.
私は神に裕福になれるよう願った、幸せな暮らしできる人になれるようにと。

I was given poverty, that I might be wise...
けれども、私には貧しさが与えられた、賢く生きる道を知る人になれるようにと。
 
I asked for power, that I might have the praise of men.
私は神に力を願った、みんなに賞賛される人になれるようにと。

I was given weakness, that I might feel the need of God...
けれども、私は弱き者にされた、神に助けを求めることができる人になれるようにと。
 
I asked for all things, that I might enjoy life.
私は神にすべてを願った、楽しい人生を送ることができる人になれるようにと。

I was given life, that I might enjoy all things...
私は、けれども、命を与えられた、すべてのことを喜べる人になるようにと。
 
I got nothing I asked for - but everything I had hoped for;
願ったものはすべて叶わなかった、でも、私の望んだもの何もかもが満たされた。

Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.
私が思いもしないところで、私の心の祈りに答えが与えられた。

I am, among men, most richly blessed! 
私は、この世の誰にもまして、豊かに祝福されていた。
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『南無遍昭金剛』
『南無神変大菩薩
『南無聖宝尊師』
合掌