蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

仁王経法~梅雨入り~

今日は仁王経法。
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久々にギュッとばかりにお祈りした感じだ。
 
ところで本山から送付された機関誌には、『今後は五大力信仰の教線を関東以北にも伸ばしていきたい』とあった―――。誠に有り難いことだ。
 
いつものことながら、日本の治安良さ、町の清潔さ、秩序だった雰囲気など、昨今はだいぶ悪くなったと言われるが、海外の地域のそれに比べれば、まだまだ日本のそれは捨てたものではない。
 
海外に出て思うことは、どんな社会にも、伝統と文化がバックボーンとして必ず付随しているということ。それが揺らいでいる社会は、どんな体裁を繕ったところで、安寧の二文字とは無縁である。
 
五大力信仰には、実に弘法大師の『鎮護国家』という教えが背景にあり、一方でこれが間違った解釈をされた不幸な時期が近代にあって、その影響で今なお表だって語ることが出来難くなっている。
 
五大力信仰の主要経典たる仁王経(⇒仁王護国般若波羅蜜多経)は、不空三蔵によって『新たに翻訳(創作)されたもの』とされる。そう…、“偽経”というわけであるが、その“偽経”にこそ、弘法大師が密かに私淑されていたとされる不空三蔵の鎮護国家の理念が脈々として息づいていることが重要事なのではないか。
 
昨年の東日本大震災という未曽有の大災害、さらに福島第一原発の事故を経て、私たちはそろそろ鎮護国家に貼り付いてしまった『おかしな呪縛』を、勇気を出して引き剥がすことが必要なのかも知れない。
 
海外に出ると分かるが、自分の国を思わない人に出会う方が稀有だ。弘法大師は、まさに“海外組”なのであって、即ち、外から日本を見つめ、(言葉の違う)恵果和尚の謦咳に接し、そしてその師不空三蔵の話を間近にされて、弘法大師は『即身成仏』と共に『鎮護国家』を確信された――。
 
今回のロシア出張のもう一つの実感なのだ。
 
『南無本尊聖者般若菩薩』
『南無五大力明王
合掌