蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

秘密行法の伝授

昨日は秘密行法の伝授会だった。職場終業後、伝授道場の奈良まで新幹線で移動、ビジネスホテルに一泊した。常の如くである。

さて、今回の伝授に関して個人的に様々な事が思い出されて、少しばかり複雑だった。少なくとも「スカッと」ではないことだけは確かだ。

このブログでも以前に一度取り上げたことがあるのだが、この行法で「浮気封じ」を祈願した先生に、今から30年近く前にお話を聞いたことがある。率直にすさまじい内容だった。その先生は「2回」と言われていたが、そのうちの1回は「話せない」とのことだったのだけれども、その時の一言は今なお耳の底に残っている。ただ――、「結果は推して知るべし、今話したもう一つの話からわかるだろ?」というか、その目の奥底で(確実に)何か語っているかのような、とにかくその時の「眼光の鋭さ」の記憶は鮮明だ。

今回の伝授は本当に異例だった。冒頭の約90分、次第書を一切開かずで、大阿さまの思いを切々と語られ、且つ、この行法の趣旨にまつわる「好事家の俗説」を完全否定された(と、私にはそう聞こえていた)。具体的には、何故そうなのか、何故そうしてはならないのか、そして、何故この秘密行法を拝むのか、その心構えとは一体何か、真言秘密行法の観点から、etc.,である。

昨日、受法後、帰路の新幹線内でフッと「今日の受法だけで、もうそれだけで、何らか言霊が飛ぶのだろうな…」ということを思った。伝授の最後の質問をした人が、今回は10名くらいあり、まさに次々に手が上がるという感じで、普段とはまったく違う、まさに異例の展開で正直チョッと驚いていた。実際、それら発せられた質問の数々を聞きながら、自分なりに感じていたことは、「事相における技術的な側面、例えば、〇△流だったら此処はこうする。ああする、だが、それだけでは済まない、行者の『心』『ハート』の問題まで問われるのだろうな」ということである。

ともあれ、お大師さまが五大力尊を、そう、「ONE TEAM」にされた理由の一端を垣間見たような、そのような意義ある、否、ある意味、とても深くて重たい内容を受け止めながら、帰路を急いだ。

追記

これから大判ノート5ページ余に書き留めた当日の伝授録を参照しつつ、書写を始めます。そして――、修法しますが、(これを見ている方は何のことやら分からないと思いますが)大阿さまから平成26年に光明真言法を授かっていて本当に良かったなと…。

f:id:rengedouji:20191214164500j:plain「南無遍照金剛」

合掌