蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

大元帥明王法~臨時の國祷會

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大元帥明王:十八面三十六臂像

注)大進美術株式会社HPより引用

 

昨日「大元帥國祷會」が旧宮家と旧華族家のご要請を受ける形で、臨時の本法会が開白されたとお聞きしました。真言秘密行法を授けて下さっている大阿さまを筆頭に、ご一門の方々が、混迷する内外の諸情勢によってもたらされたCOVID-19を始めとする今般の国難に対して、小栗栖常暁律師が請来された護国大法を修行されていることに深い感銘を覚えている次第です。

(※1)和州秋篠寺で練行のとき、後夜に閼伽水を汲もうとして、井の内に六面八臂の大鬼王が居るのに驚いて悶絶したが、醒めて後その鬼形を図に留めた。

(※2)常暁律師は承和五年(838年)六月に入唐して、棲霊寺文際和尚に付いて金剛界大法ならびに阿闍梨位を受け、併せて大元帥の秘法を受法した。

(※3)この大元帥法を授かった際、秋篠寺の閼伽井に出現した鬼形と同じであったため、常暁律師はその顛末と共に、持参した図画にて文際和尚に見せて説明すると、和尚は大いに驚嘆して、この秘密行法の儀軌画像壇法印契の全てを常暁律師に伝授したとされる。

(※4)文際和所用の幡蓋と一つの山が日本に飛来してて小栗栖に止まり、その山は今に飛山(とびやま)と呼ばれるとの伝がある。

(※5)常暁律師は帰朝して直ちに朝廷に奏上したところ、早速に叡感を受けて法琳寺を賜った。修法開白に向けて早速に大元帥の像を造ろうとしたがうまくいかず「どうしたものか」と案じていると、どこからともなく「青衣の童子」が現れ、七日間一室に閉じこもるや作像に没頭。殊勝の像が出来上がったと。この青衣の童子大元帥の眷属であったとも言われる。

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「阿吨薄倶儀軌」に説かれる本法の因縁を本説として「宝寿無窮鎮護国家の折には増益法として」「天下兵乱のときに調伏法として」「近世以降は天皇御即位の翌年に」それぞれ修行されるとあります。

いずれにしても、真言秘密行法を祈って、国家国民のため祈ることはとても大切なことです。それが今この瞬間も同時進行していることは、誠に有り難いことであります。

合掌

(参照)上田霊城著 改定真言密教事相概説ー諸尊法・灌頂部ー[下]

    株式会社同朋社メディアプラン(2008年10月1日改訂第一版第一刷)