蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

凄いことだ!

昨夜、会社から帰宅したところ、テーブルに東方出版の封筒が。この時期のそれは、『高野山の四季』というカレンダーの案内で、『ああ、もう年末の声…』と。このカレンダーだけは、密教嫌いの家内のお気に入りで、毎年楽しみにダイニング部屋にかけることが許可されております(苦笑)。

さて、それだけかなと思って封筒を繰ったところ、別なる案内チラシが…。内容を見て驚愕しましたぁ~。『柱源神法』の文字…。しかも先日遷化された『W部大僧正の伝』云々とあるではありませんか(!)。

柱源とか言われても、ピンと来ない方がほとんどだと思われますが(汗)、これは修験道行者にとっての、重大事極秘作法として位置付けられているものです。それだけに、そのチラシを見たとき、一瞬、目を疑いました。とにかく『非公開』で通してきたものなので、『なんで~?!』、『でも嬉しい♪』。

実は、私の師僧の寺では、今までこの柱源神法だけは、敢えて避けて通ってきました。『作法が混乱するからしない』という方針を貫いた歴史があるのです。

しかしながら、このまま行くと、同門の誰もこの作法をしないで終わってしまうのではないか。そういう危惧が、不肖ながら私の中にもございます。恐らく著者の先生も、当山派の柱源神法が、今のままでは歴史に埋没してしまうとの強い危機感を抱かれて、W部大僧正遷化を機縁として、公開に踏み切られたのではないかと想像しているところです。

当山派の場合ですが、この柱源を修行することによって、真言密教の作法(を実修した人の中に)に古神道(=現行の神道信仰以前にあった原初的な)息吹が吹き込まれる、として過言ではないと思っております。実は、先般結願させて頂いた不動護摩供においても、この柱源の作法の一端が盛り込まれているのですが、この作法を実修することによって、『神仏習合』の祈りが、具体的な形をとってその験門行者に現前することになるわけです。もっと言ってしまうと、その人は『わが国の神霊信仰』を肌で実感する修行をすることになる―――、そう思っています。

それゆえ、いつかは『受法したいな』と(ずっと)考えておりました。幸いなことに、師僧によればですが、W部先生と併せて計二回、柱源神法の伝授を受けたと話してくれたことがありました。『でも今の自分では、明らかに役不足』と率直に感じていて、かなり遠慮していたことはありました。

ところが今回、『密教専門の出版社』と思い込んでいた東方出版社から(すみません)修験道作法の書籍が、しかも柱源神法の一端が公開されることを知り、いても立ってもいられなくなり(笑)、高野山のカレンダーと一緒に、注文の葉書きを投函したところです。

『精進して、その日のために備えよ』との叱咤激励(!!)。そう(勝手に)思って、準備していきたいと思っています。