蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

加行札~伝法灌頂入壇~

昨日、会社から帰宅したところ、京都のT師より護摩札が届いていた。かねてよりお聞きしていたことだが、四度加行を成満、伝法灌頂壇に入壇されたことを報告する内容の手紙が同封されていた。
 
加行札は四度加行の際、小野流の場合だが、総仕上げの意味がある。十八道、金剛界胎蔵界、そして護摩法と連続してくるのだが、修行者はその護摩法加行に総仕上げの意味を観じながら、まさに渾身の力を振り絞って二十一箇座修する。その際、自分が直接間接にお世話になった方々への感謝を思い、除災招福の祈りを兼ね、特別に送る。
 
それゆえ、この加行札は滅多なことでは入手できないものとなり、加行札を別格扱いみたいにしてコレクションする人もいるくらいだ。
 
また四度と言うことから、四種類だけ修するような響きがあるが、これはとんでもない誤解である。
 
その間にも下座行に始まり、礼拝行、水行、ETCがスケジュールの合間合間に差し込まれるから、寝る間を惜しんで24時間を突っ走るしかない。万一、怪我でもすれば、それも自分の中で全て解決を求められる。たださえ時間が無いのだから、怪我などすれば、まさに極限に追い込また状況に身を置くことを余儀なくされるだろう。
 
要は『非日常の連続』であり、ともすれば折れそうになる(自分の弱い)心を自覚し、そして、真正面から向き合う日々を延々と過ごすのである。だからこそ『修行』なのだ。
 
ともあれ、Tさん、本当におめでとうございます。お札は早速自坊に安置いたしました。末永くお祀りさせて頂きます。
 
『南無大師遍照金剛』
合掌