表現の自由~明白かつ現在の危険
大学時代に学んだ憲法学の教科書にあって、今でも鮮明に記憶している言葉がある。
★ 『明白かつ現在の危険』(Clear and Present Danger)
これは民主主義を標榜する国家において、『表現の自由』に対する国家権力の規制に関して、国家は極めて抑制的な態度で臨まなくてはならないことを示唆する非常に重要な法理である。
米国連邦最高裁判所のホームズ判事(Oliver Wendell Homes:1841 - 1931)が主張し、後世に残る重要な判断基準として確立したもので、およそ民主主義を標榜する国であればこの一線だけは死守しなくてはならない。
その意味から、『表現の自由』を国家権力によって奪われた某S新聞社の問題に止まらず、日本向けの記事を当該国の国内法で裁きを行なうとした国は、日本のメディアだけでなく、海外の全メディアに対する暴挙を行なったとの認識を持たねばならないだろう。