蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

自宅待機

家内が体調を崩してしまい、『ご看病』の名目で、先週末は自宅待機状態でした…。そういうとき、私は普段できない修行を致します。『水行』(すいぎょう)です。
この水行は、勿論のこと滝に打たれる次第なのですが、伝授をして下さった明師の実修体験によって、『自宅シャワーでする略法』として編集されているところに(!)、最大の特徴がございます。

恐らく、『自宅のシャワー?!エエ~!』ということで、(その筋の方からの)拒絶反応のあることは十分に想像するのですが(笑)、行者が至心に修するならば、どこでも修行道場となると、大日経は述べているとお聞きします。その明師の教えを信じて、伝授の日から折に触れて、如法に実修しております。(細かく言えば、そのための作法がございますが、ココでは割愛(悪しからず)!)

さて、次第の冒頭で五体投地を致します。ここまでは、他の行法と変わりありません。但し、その時の観文として、以下をお唱えします。

悪罵及捶打(おめぎゅうすいちょう)
皆悉当能忍(かいしつとうのうにん)
我今成仏身(がこんじょうぶつしん)
端坐而実相(たんざしじっそう)

これは修験道世界独自の経文で、『床堅文』(とこがたのもん)と申します。この観文の意味するところは、概ね以下のようになると思います。切れやすい現代社会にあって、重要な示唆を含む内容で、行者たる者、よくよく肝に銘じなくてはいけません。

● 如何なる悪口・罵詈雑言を浴びせられ、ムチ打たれるようなことがあっても、
● それらを皆、悉くよく耐え忍んで、
● 我は今まさに仏の身と成らんと発願し、
● 心静かに端座し、そして、世間の真実の相状を観る。

私に伝授された先生は、ご自身は真言僧侶なのでありますが、学院時代に従者として仕えた大徳が、修験道修行も併修される方だったそうです。その先生が、学院入学以前から滝行を熱心にして本山に登嶺して来たことが知られるや、その大徳の手によって親しく授けて頂いたとのことでした。

唐突ですが、加持ならぬ『家事』は大変デス。掃除、洗濯、食事の支度、皿洗い、etc。その日は、小僧の修行よろしく、自分なりに試みたのですが『アナタは動作が遅い!』との(いわれのない?!)理由で、いきなりレッドカード、途中退場の憂き目に…。そういうこともあり、『これ幸いに』と云うことで(笑)ちょっと時間が出来ましたので、水行で『お加持』を…。

水行を終わってから『当病平癒』…、ちょっとは分かってくれた?は、グッと呑み込んで(涙)、続いてコーヒーなぞ炒れてご機嫌伺いをしたのでした!(終)