蓮華童子の日記

真言秘密行法の修法@自坊を中心にアップして参ります。

清瀧権現の神秘体験~その2~

結論から言うと、その背骨の痛みは修行2日目に劇的に和らぎ、3日目には完全に消えてしまった。

日中・初夜にする修行のメインには、今までの修行の成果をご本尊さまに奉告することがある。所定の時間になると、修行道場となる大●堂まで、三◆院から私を含む受者たちが進列していく。

仁王門をくぐると、目の前には晩秋の紅葉で紅く鮮やかに染まり、向こうの方までまっすぐに向かう参道だ。金堂~五重塔に至る、深い森に囲まれた、真言密教と当山派修験道の先師が踏みしめた参道なのだ。

思わず、深呼吸を一つ、また一つ。深く深く、何度も何度も…。

するとどうだろう。まったく不思議だ。痛みが一つ、また一つという感じで、スーッ、スーッと消えていくのがハッキリ分かるではないか。目に見えないピンセットで、一つ一つの痛みが、背骨の深いところから摘出されていくような、そんな感覚なのだ。

そしてフッと思った―――。一体、誰が…、そうしてくださるのか、と。

実は、この参道は今回が初めてではない。もう10年以上も前になるが、家内と京都旅行の折に三◆院に立ち寄って、参拝ついでに歩いたことがあるのだ。

今となっては『笑い話』だが、家内がその参道を歩いているうちに(猛烈に)気分が悪くなり、『吐きそう』になった。私自身も、森の向こう側からくる、何だか得体の知れない霊気を感じていて、すごく気持ち悪くなり始めたことをよく覚えている。

内心で『上●醐に登ってみたいな』と思っていたが、即刻Uターンしたことは言うまでもない。そのまま山科駅経由で、京都市内行きのバスに飛び乗ってしまった(笑)。

ついでに言うと、その時の『気持ち悪い感覚』は、後年師僧の自坊を初めて訪ねた際に感じたものと、まったく同じものでもあった…。

~続く~